動きのスペシャリストになるために必要なスキル、「バネのあるカラダ」とは。トップアスリートたちの力強くしなやかで華麗な動き、その躍動感に目を惹かれる人も少なくないかと思います。どのようにすればあの動きを、躍動感を手に入れることができるのか。その秘密が「バネのあるカラダ」に隠されているのです。実際にカラダの中にバネがあるわけではないのですが、私たちのカラダが持つ筋肉、その両端に付いている「腱」これがバネとなる動きに欠かすことのできない正体です。腱は筋肉と骨を結ぶゴムのような結合組織です。この腱がまるでバネのような動きを可能にしているため、本当にカラダの中にはバネがあると例えられています。その腱の中でも分かりやすく大きな活躍をしている腱の一つが、ふくらはぎに付いている「アキレス腱」です。アキレス腱のバネをうまく利用することで、「飛ぶ」「跳ねる」といった動きをより大きく、躍動的に行うことができます。バネのある動きとは、この腱というバネをどれだけ活かせるかが大切なポイントとなってきます。
ではこのバネのある動きを手に入れるためにはどうすればよいのか、そこで重要となってくるのが「反動」を使うということです。筋肉を大きくするためのトレーニングではあまり良くないとされている反動ですが、バネのある動きを手に入れるためには反動を使うことがとても大切です。反動を使う動きというのは誰もが日常生活の中で無意識に行っていて、例えば立ち上がるとき、上半身を少し前に倒してから「よいしょっ」という感じに立ち上がりませんか?この「よいしょっ」のときに反動を使っているのです。バネとなる腱に力を溜めて、立ち上がるためにその力を発揮しているというイメージです。この動きに着目してトレーニングを行うことがバネのあるカラダづくりには欠かせません。この反動を意識して行うトレーニングのひとつに、単純な往復の動き・切り返す動きに着目した「プライオメトリックトレーニング」というものがあります。イメージしやすい例として、一度大きくしゃがみ込みその勢いを利用し高く飛び上がるというスクワットジャンプがあります。このスクワットジャンプの場合、ただ単に飛ぶのではなく、腕の振りや上半身をあおる動きを活かし、カラダ全体を使って反動動作を行い高く飛ぶことがポイントとなります。全身をバネのように意識し、動きを連動させることを大切にして取り組んでみてください。また、この反動を意識したトレーニングは瞬間的にカラダに負荷が掛かるため、入念なウォーミングアップを行い、いきなり全力で行うのではなく徐々にカラダを慣らしながら進めていくことを忘れずに、バネのあるカラダ、バネのある動きを手に入れていきましょう。